部長座談会Interviews

三井不動産投資顧問の強みと未来図
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資産運用一部長
不動産鑑定会社に新卒入社し、7年間不動産鑑定業務に従事した後、2005年に入社。私募ファンドの運用や売却、取得業務に携わる。アセットマネージャーとしての知見を活かし、三井不動産グループの上場REIT運用会社への出向も経験。現在は私募ファンド運用を担う資産運用一部長を務める。

資産運用二部長
ストラクチャード・ファイナンス部長
信託銀行での不動産関連業務を経てアセットマネジメント会社へ転職。より広いフィールドで多様なアセットタイプの経験を積むべく、2011年に入社。物件取得、REITの組成、期中運用業務を経て、現在は私募ファンド運用を担う資産運用二部とローン調達を担うストラクチャード・ファイナンス部2部門の部長を務める。

リート運用部長
不動産関連会社での勤務を経て、不動産ファンド業界に魅力を感じ、2007年に入社。私募ファンドのアセットマネージャーとして、期中運用、物件売却、リファイナンスなどを経験。三井不動産グループの上場REIT運用会社への出向も経験し、現在はリート運用部長を務める。三井不動産プライベートリート投資法人の運用責任者。
不動産投資運用のプロフェッショナル集団として、確かな実績を重ねてきた三井不動産投資顧問。三井不動産グループの一員として、高度な専門性と豊富なリソースを最大限に活かし、革新的な不動産投資商品を提供し続けています。最前線に立ち企業を牽引する、資産運用部とリート運用部の部長3名に、会社の強みや部門を超えた連携、そして次世代を担う人材への期待について語っていただきました。
築き上げた独自の企業文化
規模拡大の中でも失わない、温かみのある職場環境
皆さんが入社されてから20年前後が過ぎていますが、その間における会社の変遷やカルチャーの変化など、現場に立ち続けてきたからこそ感じていることを教えていただけますか?

入社当時は20人程度の規模でしたから、振り返ると大きく成長したなと感慨深いものがあります。金融商品取引法の施行を機に大きく成長し、扱うアセットの質も向上してきました。これまでにリーマンショックをはじめ、大変な時期もありましたが、堅実に成長を続けています。プロパー社員も増え、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が交わる環境が生まれていますが、当社は数百人規模ではありませんから、日頃から一緒に仕事をしている人の顔が見える関係性が保たれています。一体感のある企業風土だと感じています。

私が入社した頃は60人程度に増えていました。私募REITの立ち上げを機に、扱う物件や取引先が大きく広がりました。組織の拡大に伴い業務内容は変化していますが、上司や同僚とのコミュニケーションが円滑で、互いをサポートしあう雰囲気は一貫して変わっていません。S部長が「一体感のある企業風土」と表していましたが、まさにその通りですね。業務で厳しい議論をしても、その後は和やかに交流できる、そんな温かい雰囲気が続いています。有志でゴルフや登山に行ったり、食事を誘い合ったり、そんな社員同士の交流も活発で、オンオフの切り替えが明確なところも当社の良さです。

思い返すと、20年前は三井不動産本体からの出向者がほとんどで、プロパーは数名しかいませんでした。現在ではプロパー社員が増え、外部からさまざまな人材が入ってきたことで、より活性化してきたように感じます。三井不動産グループの一員として、グループの強みと豊富な経験を活かしながら、それぞれのバックグラウンドを持った社員が、プロフェッショナルとしての自負を持って不動産投資運用ビジネスを展開している点が、当社の最大の特徴だと考えています。
転職は期待と共に不安もあるかと思うのですが、途中入社に関しての受け入れ体制や社内の雰囲気についてもぜひお聞かせください。

管理職としては、新しく入社した社員の経歴を見ながら、得意分野を活かせる部署への配属や、未経験でも入りやすい案件を選ぶなどの配慮をしています。会社自体がさまざまな部門と関わりを持てる仕組みになっており、業務上の連携も多いため、新入社員でもコミュニケーションがとりやすい会社風土だと思います。


当社は新卒採用を行っていないため、中途入社の方でも馴染める環境が整っています。あえて意識しないくらい自然な形で溶け込めますね。
三井不動産投資顧問の強みと人材育成
グループ力と専門性を活かし、次世代を育てる
三井不動産投資顧問の特徴的な価値創造についてお聞かせください。

三井不動産グループの一員として、ファンドビジネスを行う上でグループのリソースやノウハウを最大限活用し、投資家の方々にサービスを提供できる点が最大の強みといえます。加えて、現在では各部門が高度な専門性を追求しており、それぞれのプロフェッショナルが融合することで、最適な成果を生み出しているのが当社の大きな特徴です。
そうした強みを活かすため、人材育成の面ではどのような工夫をされていますか?

最も重視しているのは、相談しやすい雰囲気づくりです。ファンド運用では日々さまざまな課題が発生しますが、それらは放置すると雪だるま式に大きくなってしまう。そのため些細なことでも早期に相談できる環境を心がけています。また、部員の前職や経験を踏まえ、それぞれのバックグラウンドを活かしながら、さらなる成長につながるよう、適切な業務配分とアドバイスを行っています。

成長機会の創出を常に意識しています。たとえば、ファイナンスの経験がない社員には将来そうした機会が見込める案件を任せたり、売却経験のない社員には売却の可能性が高い案件を任せたりと、成長を実感できるよう、案件の選定には特に配慮しています。

私も、若手社員の主体性を尊重し、個々の力を最大限引き出すことを心がけています。まずは本人の考えや希望をしっかりと聞き、その上で私の経験に基づくアドバイスを提供しつつ、自ら考えて行動できるよう導いていくスタイルを意識しています。将来的には自走力のある人材として活躍してほしいという思いがあるからです。
組織の垣根を超えた連携と成長
自然な協働から生まれる、組織としての総合力
部署や部門を超えた連携について、具体的な事例を交えてお聞かせください。

私募ファンドでの物件取得の際は、投資営業部と資産運用部、ストラクチャード・ファイナンス部が連携します。私募ファンドのリファイナンスの際は、資産運用部とストラクチャード・ファイナンス部が連携します。コンプライアンスの課題があれば即座にコンプライアンス部に相談するなど、業務上の部門間連携は日常的に発生します。また近年は新規ビジネスの創出機会も増えており、投資営業部やストラクチャード・ファイナンス部との協働がより活発になっています。特別な連携の仕組みは設けていませんが、それは互いに力を出し合い、協働することが当たり前の文化として根付いているからだと思います。

資産運用部で運用している物件を、MFPRに売却し、リート運用部が運用するケースもあります。また、投資営業部で取得した物件は、取得後の運用も重要になってきますので、その観点での連携も不可欠です。さらに、部署間の人事異動も適宜行われており、自然と横のつながりが生まれています。

会社としても部門を超えた横のつながりやコミュニケーションを重視していますね。同世代の社員同士で部門を超えてチームを作り、業務外で交流を深める企画を実行したこともあります。
業務内外でコミュニケーションを高めるきっかけが多々ありますね。キャリア開発の面では、社員の希望がどのように反映されているのでしょうか?

当社には取得業務や期中運用など、専門性の高い分野が多くあります。社員のキャリア志向も多様で、さまざまな部門をローテーションで経験したい人もいれば、特定分野のスペシャリストをめざす人もいます。私たちは本人の希望を丁寧に聞きながら、会社として最適な人材配置を検討し、それぞれが最大限の力を発揮できるようキャリア形成を支援しています。皆さんいろいろな希望や理想があることでしょう。適材適所は当然意識していますが、それぞれが思い描いているキャリアプランを支援すべく社員の思いもしっかり受けとめています。

困難と挑戦から得た経験値
厳しい局面を乗り越え、プロフェッショナルとして成長する
皆さんのキャリアの中で、最も印象に残っている仕事や案件についてお聞かせください。

リーマンショック後の不動産マーケット縮小期には、デフォルトの危機に直面した案件を数多く担当しました。数百億円規模のホテル案件など、非常に厳しい状況でしたが、チームで協力して乗り越えることができました。この経験は、現在の好況期においても、リスク管理の観点から重要な教訓となっています。今は良い状況が続いていますが、またいつか厳しい局面が訪れるかもしれない。そのことを常に意識しながら日々の業務に取り組んでいます。

私にとって、リート運用部から現在の資産運用部への異動は大きな転機となりました。REITとファンド、両方の経験を積めたことは貴重な財産です。また、個別案件では、未利用の容積率を活用した収益向上プロジェクトが印象に残っています。事業用定期借地権を設定してコンビニを誘致するなど、さまざまな検証を重ねた結果、収益性の向上とテナントの利便性向上を同時に実現できました。思い入れの強い案件の一つです。

私は「おそらく今後二度と経験することはないだろう」という案件が最も印象に残っています。商業施設とオフィスタワーの複合施設を区分所有権化して一部だけを売却するという極めて複雑な取引でした。非常に困難な案件でしたが、これも貴重な経験として心に刻まれています。
困難な経験の方が印象深く残っているのですね。

私募REITの立ち上げは、まさにそういう経験でした。当時は市場での認知度も低く、「私募REITとは?」を多くの投資家や販売証券会社等へ説明しなければならない状況でした。厳しいマーケット環境の中での挑戦でしたが、地道な努力を重ねた結果、現在では当社を支える重要な商品として成長し、市場からも高い評価をいただいています。困難な経験はその時は大変ですが、後々必ず活きてきます。だからこそ、印象深く記憶に残るのだと思います。

次世代を担う人材への期待
不動産への情熱と学ぶ姿勢を重視
今では業界のリーディングカンパニーとなった当社ですが、率直にどのような人材を求めていらっしゃるのでしょうか?

不動産と金融は両方とも奥が深く、資格があれば十分というものではありません。不動産そのものへの興味や熱意が重要です。たとえ未経験でも、不動産やファイナンスに対する強い関心があり、それが熱意に変わっている方とは面白い仕事ができるのではないかと考えています。

前のめりな気持ちだけでなく、謙虚に学ぶ姿勢を持ち続けられる方が、入社後も着実に成長していく印象があります。当社では宅地建物取引士と不動産証券化マスターが必要資格となりますが、入社後に取得するケースもありますし、それだけにとどまらず学び続ける意欲を重視しています。会社としても資格取得支援など学びに対して手厚いサポートを行っているほか、社内で勉強会を開催し、私たち管理職も積極的にこれまでの経験を共有し、若手社員の気づきにつなげています。

投資家やレンダーと接する機会も多いため、専門性に加えて相手から信頼される人間性もとても重要ですね。人当たりの良さであるとか、またこの次もこの人と一緒に仕事したいなと思ってもらえるような人柄は大きな強みとなるはずです。チームで仕事を進める上で、謙虚さとコミュニケーション能力も欠かせません。自分で考え、足りない部分は学び続ける姿勢を持った方と一緒に働きたいですね。
個の力と組織力が融合する
成長する組織へ
最後に、三井不動産投資顧問という組織の特徴と、これから入社を考える方々へのメッセージをお願いします。

当社の特徴は、個々の力を大切にしながらも、強い結束力とチームワークを持ち合わせている点です。まずは一人ひとりが自立していることが大前提にあり、そこから互いの専門性や強みを活かして協力し合う。業務には個人で担当する案件もありますが、決して孤独に仕事を進めるわけではありません。困っている人がいれば自然と声をかけ合い、支え合う文化が根付いているのが当社の特徴です。

社内のコミュニケーションチャネルが非常に充実していることも強みですね。わからないことがあれば気軽に相談でき、過去の事例も共有されています。自分で課題に立ち向かおうとする姿勢を持つ社員が多く、そしてみんなでサポートする。私自身、これまでそうした環境に支えられてきた経験があり、周囲への感謝の気持ちでいっぱいです。こうして3人で話しながら、『個の力と組織の力の融合、学ぶ意欲と教える情熱、熱意あふれる中でもチームとして和やかにつながる』、こういったことが当社を成長させている原動力ではないかと改めて思いました。

本当にそうですね。当社には優秀な人材が集まっています。それは運用の最前線だけでなく、バックオフィスや一般職も同様です。私自身、入社当初は周囲の高い専門性に驚きましたが、そうした刺激的な環境に身を置くことで、自分自身の成長も加速したように感じています。

これから当社に加わっていただく方々には、ぜひこの恵まれた環境を活かして共に成長してほしいと思います。当社は、個々人が持つ可能性を最大限に引き出しながら、同時に組織としての総合力も発揮できる会社です。専門性を高めたい方、新しい環境でチャレンジしたい方、どちらの思いも叶えられる環境が整っています。ぜひ私たちと一緒に、不動産投資運用の新たな価値を創造していきましょう。
所属・役職は取材時のものです。
