私募REIT・私募ファンド対談Interviews

私募REITと私募ファンドの世界——不動産×金融のプロフェッショナルとして
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リート運用部 統括
新卒入社した総合金融会社で、機関投資家向け不動産証券化商品の組成や不動産私募ファンドの債権回収業務等に従事。2012年入社後、私募ファンドの運用を担当。産休・育休を経て、現在はリート運用部で資金調達やIR等を担うファンドマネジメントと、個別物件の運用を行うアセットマネジメントを担う。

資産運用二部 グループ長
新卒で不動産デベロッパー会社に入社し、テナント営業や不動産売買、ビル管理業務を経験。業務経験を活かせる不動産金融業界に興味を持ち、2012年に入社。私募ファンドの組成や物件取得、売却など幅広く経験し、現在は資産運用二部の管理職として私募ファンドの運用とマネジメントに携わる。
様々な不動産投資商品の投資形態の中で当社が扱う、機関投資家向けの私募REITと私募ファンド。その違いや特徴は、実際に携わる人でなければなかなか見えてきません。今回は、それぞれの分野に従事する2人のプロフェッショナルに、仕事の魅力や特徴、やりがいについて語っていただきました。
2人の対談を通じて、不動産投資の世界の奥深さと、三井不動産投資顧問で働く魅力をご紹介します。
印象に残る案件から見える、仕事の本質
これまでの中で、特に印象に残っている案件はありますか?

入社して間もない頃、地方都市の大規模な商業ビルの売却を担当しました。買主との交渉は厳しいものでしたが、売買を実現させたいという思いは買主も同じ。論点を整理し、一つひとつ合意を積み重ねた結果、無事にクロージングすることができました。買主の担当者とは、その後も10年以上のお付き合いが続いています。長い年月を経ても、印象に残っている案件のひとつです。


私が印象に残っているのは、複数物件の収益維持を目的として契約変更や管理会社のオペレーション・システムまで大規模な変更を実施するという、少し特殊な案件です。
多様な利害関係者との間で、法律・税務会計・運用可否など、各論点に対する検討・調整・協議が必要かつ前例のない取り組みという事もあり、検討断念のラインをどこに置くか難しい場面が度々ありました。最終的には1年程度でクロージングを迎えることができましたが、常に弁護士や税理士と頭を悩ませながらプロセスを進めていたので体感ではそれ以上かかったように感じます。各プロフェッショナルの知見を融合し新しい枠組みを作る経験はとても貴重でしたし、これまで一通り業務に携わらせていただいた中でもなお、このように新しい取り組みに従事できるこの世界の奥深さを改めて感じています。
私募ファンドと私募REITの特徴
私募ファンドと私募REITの基本的な違いについて、教えてください。

私募ファンドは、機関投資家から資金を集めて不動産に投資し、一定期間運用後に物件を売却して利益を投資家に還元する仕組みです。投資家の投資方針に合わせて私募ファンドを企画、組成し、運用することが可能です。当社では数十本の私募ファンドを運用しています。一方、REITは大きくは一般の方も投資できる公募の上場REITと、機関投資家を対象とする私募REITに大別されますが、いずれも多数の投資家から資金を調達し、ゴーイングコンサーンでファンドを運用します。配当や情報開示についても、REITはより厳格な規制があります。

業務に携わる視点で申し上げると、私募ファンドと私募REITでは仕事の進め方にも違いがあると感じています。

資産運用部では、複数の担当者がチームとなって、複数の私募ファンドの運用を担当します。ファンドごと、投資家ごとに実現したい利益は異なりますので、ファンド運用上の課題やマーケットの変化に対し、個別に最適な対応を検討し、投資家の利益を実現していくことが必要です。また、私募ファンドの運用には利害の異なる多様な関係者が関与しますので、ファンド運用の責任者として関係者と利害を調整し、一つにまとめていく力が求められます。

リート運用部では、三井不動産プライベートリート投資法人(以下、「MFPR」)を当社の旗艦ファンドの一つとして運用しています。先ほどの通り、REITはゴーイングコンサーン型ですので持続的な資金調達・物件取得を通じた外部成長と、テナント賃料の最適化・コストコントロールを通じた着実な物件収益向上に基づく内部成長をベースに、投資家への安定的な配当を継続的に実現する事がミッションです。チーム全体で一つのファンドを長期的な視点で運用していくため、日々の業務ではチーム会議での情報共有はもとより、メンバー同士の連携は密に行われます。誰かの判断が他のメンバーの業務に影響を与えることもあるため、チーム全体を見渡しながら自分の業務を進めていく事が求められるように感じています。また、物件の内部成長はMFPRで長らく取り組んでいる事項であり、例えば大きなテナントと直接賃料交渉を重ねるなど各担当者が裁量を持って骨太なマネジメントを行っていますが、そのような経験ができるのは当社の扱う物件ならでは、当社の運用体制ならではという側面があると思います。
私自身、当初は私募ファンド運用を担当していたこともあり、大きなチームで連携する働き方には戸惑いもありましたが、今ではこの組織での取り組み方にも大きな魅力を感じています。日々のメンバーの積み重ねの運用成果を投資家に報告・還元し、新たな資金調達を通じてMFPRへの投資家からの評価を受け取る。資本市場の中での私募REITの今後の在り方を考えながら、様々な取り組みを続けることに大きなやりがいを感じています。
私募ファンドと私募REITが連携する場面はあるのでしょうか?

当社はコンプライアンス、法務、会計・税務、ローン調達、エンジニアリングの専門チームが資産運用部とリート運用部を横断してサポートしています。私募ファンド、私募REITに共通する課題については、常に連携して対応しています。また、リニューアルした物件は、相互に内覧したり成果を共有したりして、それぞれの運用に活かしています。

同じ物件を私募ファンドと私募REITが保有している場合において、例えばテナント賃料の設定で運用会社としての考え方を整理する必要がある場合、部署間で連携を取ることなどがあります。私たちのデスクは近い場所にあって、すぐに相談できる環境です。


そうですね。ウォールを立てるべき情報は別として、普段は椅子ごとクルッと回転して「ちょっとこれなんだけど」という感じで気軽に話せています。この部門を超えた連携が、当社の強みのひとつだと感じています。
当社ならではの強み 「成長を実感する環境」
入社を考えている方へ、三井不動産投資顧問で働く魅力を教えてください。

当社は経験豊富な社員やファンドの運用を支える専門チームが充実していますので、不動産ファンドビジネスに挑戦したい方には最適な環境だと思います。また、ビルや住宅など特定のアセット分野に限定せず、幅広い案件に携われることも大きな特徴です。投資家の期待に応えながら、自分自身も幅広く経験を積むことができ、不動産マーケットを俯瞰して捉える力が身に付くと思います。

幅広い選択肢があるというのは大きな魅力です。各人が、自身の運用能力を伸ばしたいと思う部署やアセットタイプを考え、それを異動希望として伝えられる環境があります。また、業務を通じて、不動産関連、会計税務、法務など幅広い知識が身についていく点も自己成長に繋がっていると実感できます。
私は数年前に産休・育休を取得したのですが、復職直後に一度体調を崩した際、一時的な時短勤務への変更の要望を出したことがありました。そのような場面でも会社はスピーディーに寄り添った対応をしてくれて、非常にありがたかったです。チーム全体でもサポートする文化があり、制度面の充実だけでなく、実際の現場レベルでも働きやすい雰囲気があることは、男性は勿論、女性も長く活躍できる職場だと思います。
では最後に、お二方からメッセージをお願いします。

アセットマネジメント会社として、当社は規模が大きく、実績も豊富です。今回の対談でもお話ししましたが、私募REITも私募ファンドも、幅広い経験を積むことができます。不動産ファンドビジネスを深く極めたい、さまざまな経験を重ねていきたい、そのような向上心のある方には最適な環境だと自信を持ってお伝えできます。

この仕事の面白いところは、日々の業務を通じて専門知識やスキルが身についていくことです。常に新しい課題にチャレンジする機会があり、それを乗り越えた時の達成感は大きいです。「自分の成長を実感できる」それが私にとって大きなやりがいになっています。共にここで成長できる仲間が増えることを楽しみにしています。
所属・役職は取材時のものです。
